相続・遺産分割の弁護費用はいくらかを徹底解説!
「遺産分割を頼みたいけど、弁護士費用がわからない」「たくさん弁護士事務所があってどこに相談したらいいかわからない」弁護士事務所を比較してみると、費用が違ったりしてどこに相談すればいいか迷う人が多いです。自分に合った弁護士事務所を見つけられれば、金額がかなり抑えられたりします。
そこで今回は、遺産相続の弁護士費用の相場、誰が支払うか、支払えない場合はどうするのかという点で徹底解説していきます。
相続に関する弁護士費用の種類と解説
弁護士費用は現在では自由化されており、弁護士事務所ごとに自由に料金を設定できます。ただし、いくら自由だからといって、弁護士事務所ごとに大きく違いがあるわけではありません。一定の基準があって弁護士費用を決定しています。
過去に日本弁護士連合会が定めていた「旧報酬規程」をもとに価格を決めている弁護士事務所が多いです。依頼内容によっては、下の項目でも発生しない料金もあります。依頼者はどんな料金を支払わなければいけないのか具体的に見ていきましょう。
相談料
相談料とは、相談内容について契約する前に発生する費用のことです。相場は30分~1時間あたり5,500円で設定しているところが多いです。近年では、初回の相談は無料で受けてくれるところも多くなってきました。
相談後にそのまま契約すれば無料にしてくれるところもあり、弁護士事務所によって費用が違います。
着手金
実際に業務にとりかかる前、依頼した時に弁護士に支払う費用を着手金といいます。(遺産分割や交渉や調停など)遺産分割の相談を受けた際には、相続関係の調査、財産の調査をしなければいけません。また、問題が生じている際には交渉が必要です。
相続関係の調査の範囲が広かったりすると、費用が追加で発生するケースもあります。相場としては、20万円?30万円に設定しているところが多いでしょう。着手金を無料としているところもなかにはあります。
報酬金
報酬金とは、遺産分割協議などで問題が解決した時、弁護士に支払われるお金のことです。この報酬金は経済的利益によって金額が変わってきます。遺産相続の利益が多い人ほど支払う額が多くなります。
基本的に報酬金の割合は4%~16%のところが多いです。
もし仮に実際に遺産相続で500万円の経済的利益が出た場合、報酬割合が7%ならば、報酬金は35万円支払わなければいけません。
法律事務所によって設定されている金額が違います。
手数料
手数料とは、遺産分割などで争いがなく事務的な手続きをする際に支払われる費用のことです。手数料を支払う場合は、通常は着手金を支払はなくてよいです。
着手金や報酬金など両方の報酬を支払うのが適切でない場合に支払うのが、手数料になります。
手数料の相場は、1件につき数万円~数十万円と依頼する内容で異なります。
実費
実費とは、依頼内容を進めていく段階で発生する諸経費のことを指します。法律事務所に報酬として支払うものではなく、相続手続きをする際に発生するものです。具体的には、「交通費」、「宿泊費」、「郵便代」、「収入印紙代」、「登記事項証明書の取得費」などがあります。
出張費
出張費とは、弁護士が出張したときに支払う費用のことです。出張しなくてよい場合、当然費用はかかりません。出張費の相場は、5万円で設定しているところが多いです。
遺産相続で他にかかる費用は?
遺産分割協議費用などの主な費用について解説してきました。相続に関わるもので、この他にも費用が発生するケースがあります。上記以外では、どんな費用が発生するか詳しく見ていきましょう。
遺言書の作成費用
遺言書の作成を依頼する場合には「遺言書作成費」がかかります。遺言書の内容や複雑さによって費用がかわります。多くの弁護士事務所では、20万円~30万円に設定しているところが多いです。
遺言の執行費用
遺言を実際に実行するときにかかる費用のことを「遺言執行費」と言います。この費用は、遺産の大きさや相続人の人数によって料金が変わることが多いです。遺産額に応じて費用が変わり、300万以下の遺産額でも30万円の費用がかかります。相場としては、最低30万円支払うと考えるのがいいでしょう。
相続放棄の費用
被相続人に借金や負債がある場合は、相続放棄を選択する人もいます。弁護士は家庭裁判所の申し立てや財務調査、書類の取得や提出など、相続放棄の煩雑な手続きを行ってくれます。依頼費用は約5万円~10万円ほどかかります。相続人がまとめて相続放棄の依頼をした場合、費用を安くしてくれるところもあります。
遺留分侵害額請求
遺留分侵害額請求を行使する場合、内容証明郵便の送付を弁護士に依頼します。着手金や報酬料を支払う場合もあります。もし訴訟などがない場合、手続きのみとなります。その場合の相場としては、3万円~5万円ほどかかります。
遺産相続費用は誰が支払う?
弁護士費用を自分一人だけでは払えないと思った人もいるのではないでしょうか。遺産相続で「もめているか」「もめていないか」によって大きく異なります。相続人同士で、遺産相続の費用を折半にしようということはもちろん可能です。
ですが、良好な関係でない場合の費用は誰が支払うか迷うところでしょう。
誰がどのようなときに支払うべきか具体的に見ていきましょう。
遺産相続分割協議の費用は依頼者負担
遺産相続分割協議の費用は基本的には依頼した本人が支払います。あとで他の相続人に請求することはできません。自分で弁護士に依頼した場合、他の人に請求できないので注意が必要です。
遺言書執行費用は相続人全員
遺言執行費用は相続人全員で費用を支払います。遺言書執行費は全員で支払うことが民法で定められていますので、依頼者のみ支払う必要はないので安心してください。
遺言書の作成費用は遺言者
遺言書の作成費は、遺言を行うものが費用を支払います。公正証書遺言の場合、手数料がかかります。この手数料も、遺言者が負担するので覚えておきましょう。
弁護士費用を払えない場合はどうすればいいの?
弁護士費用を実際に調べてみると、思ったよりも高くて驚く人も多いです。弁護士費用が払えない場合はいったいどうしたらいいのでしょうか。具体的な解決策を見ていきましょう。
他の事務所と比較する
遺産相続によってかかる費用は弁護士事務所によって違います。相談料を無料にしてくれるところや、相続金額や相続人の人数によって大きく変わってきます。もし相談した弁護士事務所が相場の費用よりも高いと感じたならば、他の弁護士事務所と比較することをおすすめします。
分割払いや後払いを相談する
もし着手金を一括で支払うことができない場合は、分割払いを提案してみましょう。弁護士事務所の多くは、分割での支払いが可能です。遺産分割の調停が行われると長い期間かかります。対応してくれるところが多いので、一度弁護士事務所に相談してみましょう。
法テラスを利用する
所得や資産の少ない人は、法テラスの利用ができます。法テラスを利用すると、遺産相続費用などが相場よりも安くなります。
着手金なども分割払いにできるので、所得の少ない人でも安心です。
しかし、法テラスを利用するには収入条件などがあります。全ての人が利用できるわけではないのでご注意ください。
無料相談を上手く使う
多くの弁護士事務所では、相談料が初回無料であったりします。なかには、何回でも無料というところもあるので、上手く弁護士事務所を見つけられれば、相談のみ費用を抑えられます。しかし、遺産相続は複雑な手続きを要します。相談は無料でも、その後の着手金や報酬金は有料となるところがほとんどですので、無料相談を上手く活用する必要があります。
まとめ
遺産相続などで弁護士を利用するとかなりの高額な費用がかかります。他の弁護士事務所と比較してみたり、法テラスを上手く利用したりして自分に合った弁護士を探すことをおすすめします。
無料で相談してくれる弁護士事務所もありますので、いろいろ検討してみましょう。